今日の名フレーズ
未来社会というと、ますます多くの人々が「生かされている」社会が思い浮かぶ。未来の患者たちは、生命維持に不可欠な臓器の代わりをする機械と、他の生理機能も電子機器に代えるべきかどうかを刻々とチェックするコンピューターとで、生かされている。あちこちに特別のセンターが設置され、そこにすべての医学的データが集められ、患者が死ぬとライトが点滅して、自動的に機械が止まるようになっている。
『死ぬ瞬間――死とその過程について』(原題:ON DEATH AND DYING /著:E・キューブラー・ロス /訳:鈴木 晶 )
カネの心配は創作の妨げになる?
突然だが、カネの話をしたい。というのも、カネの問題は創作へのモチベーションをしばしば妨げうるからだ。もちろん、貧乏を経験することはとても大事なことだ。そうした「逆境」に置かれている時こそ思考が創発的になるからだ。ストイックな環境は創作に欠かせない。とはいえ、だからといって万年金欠状態というのも精神衛生上よろしくない。これから一人暮らしをする人、ソロプレイを始めて久しい人にも等しく言えることだが、「カネがない」ということで頭がいっぱいになり、創作へのモチベーションが削がれてしまうことも大いにありえる。
そんなわけで、今回はわたしなりの「貧乏メシ」を紹介したいと思う。手っ取り早くカネを浮かせるには、食費を削るのがもっとも効果的だからだ。食費は、「無駄遣い」が顕著にみられる支出のひとつである。ついつい甘えて外食してしまう人が多い。しかし逆にいえば、食費さえどうにかすれば相当カネが浮くことになる。
そんなことは、わたしが言うまでもなく誰しもが「頭で理解」しているはずだ。もはや疑いようもないほど自明である。しかし、「食費の削減と満腹度(満足度)が反比例している」という考え方を持っている者も少なからずいることだろう。というより、食費カット生活に挫折している人の多くは、「貧乏メシじゃ満足できない」という理由に由来しているのではないだろうか。
そんな中でこれからわたしが紹介する貧乏メシは、「食べ応えを確保しつつ一日あたりの食費を数百円に抑える」ものだ。このメソッドは、痩せるしカネが浮く。工夫次第では、一日300円以下も夢ではない。ポイントは食材・食品の「日割り計算」である。すなわち、買ったものを一日で食べつくすという発想からまずは脱却する必要がある。
晩飯を300円以下に抑えつつ満足する方法
今回は、晩飯のコストカットに焦点を当てていこうと思う。ちなみに前もって言っておくが、わたしの紹介する方法は「がっつり食べたい」という人にはおそらく向いていない。どちらかというと、「可能なかぎりの省コストを達成して悦に浸る効率厨」みたいな性癖を持っている人間におすすめである。あるいはまた「自炊が面倒」という人にもかなりおすすめ。なんといってもわたし自身、「自炊はできるけどしたくない」タイプの人間である。なぜなら、常日頃「自分で作るより人にメシをつくってもらったほうが美味しい」という超ワガママな考えを持っているからだ。もしもあなたが自炊を嫌うなら、コスパ最悪の弁当なんて買ってないで、ありあわせの総菜を上手に使って食費カットをしてみるといい。世界が変わるはずだ。
さて、まずは晩御飯の予算を1日あたり300円と仮定してみよう。
固定の主力食品たち(Aメニュー)
まずはレギュラーメニューをみていく。これを「Aメニュー」と呼ぶ。以下挙げていくAメニューの組み合わせは、わたしが毎晩お世話になっている食品たちである。参考にされたい。
- なっとう3パック(スーパーで60円)
栄養満点、無敵の「大豆食品」とえばやはり納豆。納豆が苦手な人は豆腐でもいいだろう。「こいつを毎日欠かさず食べておけば間違いないんじゃね?」という発想で採用。
⇒1日1パックと考えると、費用は20円/per 3 days - カット野菜(100円~80円)
野菜は必須。絶対に食べるようにしよう。カット野菜はまじで一人暮らしのお供。いい時代になったものである。
⇒2日に食べ分けると考えて、費用は50円~40円/ per 2 days - パン5枚(100円)
いわゆる炭水化物担当。糖質たっぷりの悪魔の炭水化物だが、ある程度摂取しておかないとかえって肥満の原因になるし、筋力も衰えてしまう。そんなわけでわたしはなんとなくパンを採用している。理由は白米よりも腹にたまりにくいから。
⇒1日に1きれ食べると仮定して、費用は20円/per 5 days - キムチ(500gパック200円)
つまんだり納豆に入れたりして楽しむ。漬物枠。わたしは辛い食べ物が好きなのだ。納豆キムチはまじでうまいぞ。どれだけのスパンでこのキムチパックを消費できるかは人によりけりだが、
約20日かけて1パック消費すると仮定すると、費用は10円/ per 20 days - ブロックチーズ(4ピース入り90円)
カルシウム枠のチーズ。乳製品もきっちりとる。コイツがあれば味気ない食パンが一変する。チーズをちびりとかじってパンを食むだけ。最高。
1日1ピース消費すると仮定すれば、費用は25円/ per 4 days
――以上、お気に入りの5品目である。1日あたりの総額は約135円。
予算300円なので、余剰金は165円である。これを元手に、Bメニューを考えていく。
選ぶ楽しみのあるBメニュー
続いて、レギュラー以外の食品をみてみる。ここでは「総菜」がメインとなる。総菜はおかずの楽しみである。以下に紹介するのは、ある数日間のわたしのBメニューである。
- しゅうまい11個入り(値引きで127円)
スーパーの値引きコーナーで見かけた総菜。基本的に「日に分けて食べることができる」ような食べ物が選ぶポイントだ。
1日2個食べるとするなら、費用は24円/per 5 days - チキン南蛮9個入り(値引きで264円)
「やっぱ肉でしょ」という理由でスーパーにて購入。肉があるかないかで満足度は大きく違う。
1日2個食べるなら、58円/per 4.5 days
――Bメニューは以上。①②の組み合わせで考えると1日の総費用は約82円。
よって、AメニューとBメニューの1日あたりの食費総額は約217円となる。この余った83円は繰越でOK。ある程度繰越金が貯まったら、週末にビールでも買えばいいだろう。
以上、これがわたしのとある晩飯メニューである。いろいろ思うところはあるだろうが、わたしはかなり気に入っている。そしてひとつだけ言えるのは、これだけでも十分におなかいっぱいになるということである。
これに加えて「昼飯も食べたいよ」という人は、上記の「食品の日割り計算」を採用して、好きに献立を考えるといいだろう。その際、ランチの予算をいくらにするのかはみなさんにまかせる。1日にかけるべき食事代の定義は、みなさん各個人の家計事情によって異なるからだ。
まとめ
いかにして食費を浮かせるかについて思いめぐらせるのは、とても楽しいものである。ローコスト化計画をたてると、不思議と一人暮らしがワクワクしてくる。ぜひ実践してみてほしい。ポイントは、「食材を多めにして味の変化を楽しむ」ということ。
たいてい、「貧乏メシ」といえば、なにかにつけて「〇〇パスタ」だの「△□丼」といったいわゆる「一品もの」を想起しがちである。しかしわたし的には、それは落とし穴だと思う。一品ものは、「物足りなさ」を感じやすいのだ。それならばむしろ、多品目の食品で「たくさん食べてる感」を演出したほうが精神的にも満足しやすい。
わたしの方法はあくまでほんの一例にすぎない。いろいろ創意工夫をこらしてみてほしい。とりもなおさず、みなさんの一人暮らしライフが充実し、創作にますます打ち込める日が実現できればと心から願っている。カネの問題は心を疲れさせてしまう。少しでもカネの問題を避けることができれば、それに越したことはないのだ。
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