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10/25、ついに満を持してCOD:MWが発売された。βテスト版では「クソゲー派」と「面白い派」で真っ二つに分かれていたので、誰しもが「製品版の出来」が気になって仕方なかっただろう。
前の記事で書いたように、わたし自身は、今作を「古典的なFPS」としてかなり高く評価していた。では、実際にプレイしてみてどうだったか? そのものズバリ、
「こんなの聞いてないよ(マップがひどすぎるよ)!!」
である。以下では、本作COD:MWの全体的な評価を書いていこう。
ダメ出し①「射線」が多すぎて前に出ればハチの巣!?
β版のマップは、個人的にはどれもそこそこ良マップで、SMGでもARでも存分に活躍させることができた。β版実装のマップに関してはとくに不満はない。落ち着いてしっかりクリアリングすれば、まったく問題なく戦えた印象である。
しかし、実際の製品版で追加されたマップのほとんどは、β版とはうってかわって、「あまりに広すぎる&あまりに強ポジが多いクソマップ」ばかり。わたしは以前のレビュー記事で、「強ポジを確保して定点する基本中の基本が本作では求められる」と肯定的に評したが、物事には限度というものがある。ほとんどのマップには、どう考えてもクリアリングが間に合わないレベルで定点ポジションが数多く配置されていた。射線が通り過ぎるので、クリアリングしている間に殺されるなんて状況がしょっちゅうだ。こんなの、前線を上げようにも上げられないではないか。
「一歩前に出れば死」という極限の緊張感は、さながらノルマンディー上陸作戦よろしくといったところだが、こんなシビアな戦いではゲーム展開が遅くなるどころか、ドミネ―ションなどのオブジェクトルールも一切機能しなくなる。事実、だれもかれもがみんなすっかり前に出るのを尻込みしてしまって、わたしだけがB旗に乗っかって無残にもハチの巣にされるなんてことはザラだった。そんな経験をしたプレイヤーもけっして少なくはないはずだ。旗意識の高いプレイヤーがことごとく損をするような仕様なんて、さすがにおかしな話である。β版のドミネはめちゃくちゃ面白かったのに、今ではまったくモチベーションが湧かない。そんなプレイヤーの意気消沈ぶりは、実際にドミネのマッチング速度に如実に表れている。驚くべきことに、発売から数日しか経っていないにもかかわらず、マッチングで人数割れが起こってしまっているのである。毎年大人気モードであるドミネが、である。
すべての問題は、マップである。撃ち合いは確かに楽しいのだが、マップが悪ければゲーム性がすべて台無しになる。それがFPSの常である。「広いマップ」はゲーム展開を悪くするだけでなく、ガチ芋を増長させるという意味でもともとFPS界の中ではタブー中のタブーだったはずだ。にもかかわらず、本作はそれを堂々と取り入れてしまったわけである。これにはMW擁護派のわたしもさすがにフォローしきれない。「とにかく今すぐにマップを半分にしろ!」と願うばかりである。
ダメ出し②プレイヤー全員、「キルレ1」!?
射線が通り過ぎて「一歩前に出れば死」という現状は、プレイヤーの戦績にも表れている。思わず苦笑してしまったのだが、とあるドミネの試合では、敵味方双方のキルレが「平均1」の時があった。明らかに初心者さんの人や、デイリーチャレンジなどでカジュアルにプレイしている人を除けば、見事にK/Dがほぼ同じ数字を並べるありさまだった。かくいうわたしもそうである。前線に出れば出るほど、一人キルしてデスする展開が増える。場合によっては、リスした直後に定点ポジから理不尽に射殺されるなんてことも多々あった。キルレにこだわりすぎるのは良くないが、それでもうまくキルがつながらないもどかしさは耐えがたいものがある。
とにかく、マップのせいでドミネが面白くなくなったのは本当に残念でならない。β版ではあんなに面白かったのに……。
ダメ出し③マップに”殺された”SMG……
β版では、「強いSMG再び」ということでかなり楽しみにしていたわたしだが、上記の通り、マップの仕様があまりにもあんまりな現状であるがゆえ、「SMG使うならARで定点してたほうが良くね?」というのが結論になってしまう。もちろん、SMGがARより強くないのは当然である。SMGは威力や射程を犠牲にして取り回しを優先させたインファイト用の銃なので、威力の面ではARには敵わない。この力関係は、現実にかなり即している論理である。
だから、立ち回りがミスったり、撃ち出しが遅くてARに撃ち負けるのはわかる。しかし、こっちが明らかに先当てしているのに、後出しのARに撃ち負けるのはいかがなものだろうか。「本当に体力100か?」と疑いたくなるほどの理不尽さである。さすがにガン萎え。SMG使いにはあまりにも酷な仕打ちだ。
まあ、このSMGの不遇な現状も、総じて「マップのせい」という一言でだいたいは片がつく。誤解を招きかねないのであえて言わせてもらうが、もともと本作においてSMGは十分に強い銃である。狭いマップで撃ち合えば、十分対等に戦えるはずなのだ。いや、多少広くてもいい。定点ポジが控えめでいてくれさえいれば、立ち回りだけでARを倒せるはずだった。しかし製品版で追加されたマップでは、定点ARにフルボッコにされる仕様なので「もうマヂむり、ARにコンバートしよ」と心が折れてしまう。それが現状のMWである。
そうは言っても、SMGでトップスコア入りすることは全然できる。いくらマップがクソとはいえ、立ち回りでかなりカバーできる部分は残されているので、SMGが好きな人は諦めないでほしい。……まあ、チームデスマッチだけどね。ではどんな立ち回りが有効なのかというと、FPSの基本中の基本、「クリアリング箇所を少なくする立ち回り」である。理屈はきわめてシンプルで、「マップの端から攻める」、である。マップの端っこを歩けば、左右どちらかの方角は完全に安全(クリアー)となる。見る方向は片側だけなので、クリアリングもかなりラクになる。端っこからサーッと攻め上がれば、相手の横や裏を取れるので、キルレは普通に2を超えるようになる。チームデスマッチは正直すぐに飽きてしまうのが難点だが。
いいところ①撃ち合いは本当に面白い&武器のアタッチメント研究が楽しい
製品版へのダメ出しはいくつもあるが、やはり撃ち合いは本当に最高だと思う。自分の中では歴代ベストに入れたいレベル。気持ちよすぎて、ボット撃ちですら面白く感じてしまう。また、アタッチメントのベストな組み合わせを考えるのも一興である。正直、まだ現状のところはプロ勢のなかでも最適解が定まっていないようだ。eスポが解禁されたあとどうなるか、今後の動向が見ものである。
いいところ②サーチがめっちゃ楽しい
サーチ&デストロイが好きな玄人には、かなり楽しめるのが本作MWの特徴と言えるのかもしれない。もともとサーチは、「硬派なFPS」の伝統を受け継いでいるモードである。サーチの緊迫感のある読み合いは、MWの”作風”とバッチリと相性がハマっていると思う。キルトリークが上空を飛び回るドタバタ展開の激しい試合よりも、ひたすら足音を聞くシビアな戦いを望むタイプのプレイヤーなら、まず間違いなくMWのサーチが楽しめるはずだ。
いいところ③キルレなんか気にすんな!
これまで論じてきたように、MWは定点&芋がとてつもなく強いゲームである。それゆえ、ランクマしかり、グランドウォーしかり、ひたすらにガン待ちしていればキルレがみるみるあがるようになっている。究極的な話、キルレを上げたいなら、グランドウォーで自リスにこもって芋スナしてればいいのである。コツコツやっていればキルレ5なんて余裕である(SPMは下がるだろうが)。
そう考えると、今作においてはキルレなんて実力とは関係なく、本当に見かけ上の「空虚な数字」になっていると言えるだろう。もちろん、上手なプレイヤーの定点と、ひたすら同じ場所で見張っている芋気味の定点とは本質的に中身が違うことは留意しておかねばならない。だが、玄人でも素人でも、K/D比としてあらわれる数字は同じである。だからその意味では、キルレはまさに”見かけ上の数字”と言えなくもない。
だったらいっそのこと、キルレを気にせずちゃんと立ち回りや撃ち合いが強くなるようにどんどん試合をして上手になればいい。勝つためにはどんな動きをするべきかを考えながらプレーすれば、実力はメキメキあがる。それは次回作以降、かならず報われるはずだ。いっそのこと、キルレの概念なんか忘れて、「試合に勝つか負けるか」というその一点にのみ集中してゲームをすればいいのである。そのほうが絶対に楽しいと思う。
いいところ(と願いたい)④eスポモードで化ける可能性アリ?
ランクマは正直、いまひとつ面白みに欠けるのが今作の現状である。良マップにあたればそこそこ楽しめるが、クソマップなら即抜けしたくなる心境にある。だが、eスポが解禁されれば、本作はかなり希望があるかもしれない。なぜなら基本的に過去作をみてもeスポモードにはハズレがないからだ。武器バランスもよく考えられているし、プレイヤーはみんな勝つための試合運びをしてくるので、かなりゲームを楽しめるはずである。プレイヤーの質が高ければ、ゲーム内容は大きく変わる。わたしはそう信じている……。
とりあえずはやくeスポやらせろォ!!
(おわり)
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