【ネタバレ漫画批評】『トーキョー忍スクワッド』第12話【6話も費やすほどのエピソードではなかった】

トーキョー忍スクワッド 最新話 ネタバレ 感想 第12話 批評 レビュー 評価 面白い 面白くない 鳴海仁 頭突き



今日の名フレーズ

状況を説明してほしい……でもお願いだから、退屈でうっかり居眠りしないように楽しく教えてほしい。状況説明――プロットのディテール、強盗計画の説明、背後にある予備知識のようなそもそも退屈な説明――はダラダラさせず、器用な脚本家だったら観客が楽しめるくらいに工夫すべきだ。退屈しないようにうまく状況説明することを、〈埋める〉という。このテクニックをマスターすると、味気ない退屈な情報や説明がうまく調理でき、食べやすくなる。

(『SAVE THE CATの法則』ブレイク・スナイダー/訳:菊池淳子)

第12話「正しい道」

トーキョー忍スクワッド 最新話 ネタバレ 感想 第12話 批評 レビュー 評価 面白い 面白くない 鳴海仁

レビュー:50

原作:田中 勇輝

漫画:松浦 健人

所収:週刊少年ジャンプ/2019/第39号

『トーキョー忍スクワッド』ネタバレ漫画批評まとめ

6話も費やすほどのエピソードではなかった

 

  • 盛り上がったかどうかと言われるとかなり微妙ではあるが、ともあれ今回のエピソードで南雲氷彗(なぐもひょうすい)との決着がついたようだ。
  • 最後は頭突きでドン!
  • 前々からこのカットを描きたかったんだろうなと勝手に推察。

 

  • ところで、みなさんはご存じだろうか?
  • じつはこの南雲編、なんと6話も費やされているのだ。
  • さすがに時間をかけすぎである。
  • そこまで話数を費やして描くようなエピソードでもないだろう。

 

  • 以前の記事でもやや言及したが、この南雲編は、いささか無駄なエピソードが多かった。エピソードが水増しされてしまった原因はそこにある。とりわけ、顕著に「一本まるまる無駄なエピソードだな」と思ったのが以下の3エピソードだ。

①南雲編の最初のエピソード。マキ・ミズノを守ってほしいという社長と鳴海仁たちのやりとりは大幅にカットできたはずである。物語は「日記」ではない。わざわざ時系列をご丁寧に追って描く必要などないのだ。物語には、省くべきシーンをとことんカットして「省略」する技術が不可欠である。この漫画は、それができていないフシがある。

②南雲がマキ・ミズノのトレーニングジムに殴り込みにやってくるエピソード。これも一本まるごとカットできた。”今日は挨拶しに来てやったぜ”なんて展開を描く必要はない。どうせ戦うんだから、鳴海仁と南雲が直接ご対面するのは一回だけでいい。お互い業界人で互いのことをよく知っているようだし、なおのこと手間が省けたはずである。”今日は挨拶しに来てやったぜ”という展開を描いていいのは、ラスボス級の敵役くらいである。

③マキ・ミズノが南雲のアジトにノコノコ行ったあと、彼女の消息を探るために鳴海仁がかつての敵(Siaみたいなやつ)のところへ出向いて「探すの手伝って」と頼むエピソード。これも、ことごとく無駄である。わざわざエピソードを一本消費してまで描くようなことではない。これは物語でなく、ただの事実報告に過ぎないからだ。「手伝ってくれ」と言われて「いいよ」と答える。ただそれだけのためのエピソード。まるで意味がないのである。もしも相手が「手伝ってやってもいいが条件がある」なんてことを言いだせば物語性を帯びてくるだろうが、実際はそうならなかった。

 

  • ほかにも言いたいことはあるが、端的にまとめると、「この南雲編は2話あれば完結させられるエピソードだった」という結論になる。
  • じつに冗長な展開が続いてしまったと言わざるを得ないだろう。
  • こういう失態は、本来ならばプロットをまとめている段階で早々に気づくべきものだ。
  • 「これ、ちょっと長すぎかもしれない」「このエピソードに時間をかけすぎかもしれない」「6話も必要か?」といろいろ疑問に思うところがあったはずなのだが……。

 

(第13話に続く……)



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石山 広尚(いしやま ひろなお) 1991年うまれ。 札幌在住のライター。 一時期は社会学の研究者を志していたが、ひょんなことから友人と同人誌をつくることになり、それがきっかけで「創作」の世界にどっぷりハマる。小説サークルを主宰し、「批評」の重要性を痛感する。 ・大学院時代の専門:思想史と社会学 ・好きな作家:H.G.ウェルズ、オー・ヘンリー、ポール・ギャリコ、スティーブン・キング ・好きな映画:ゴッドファーザー、第三の男、ターミネーター2