【ネタバレ漫画批評】『ふたりの太星』第6話【主人公はどっち?】

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今日の名フレーズ

たいていの場合、ストーリーの主人公を作るためのヒントは、ログラインにすでに存在していることが多い。これまでに書いた脚本をふり返ってみても、やはりそうだった。基本となるコンセプトとログラインを深く探ったら、自然と主人公がはっきりと見えてきた。たとえばコルビー・カーとの共作で、ディズニーに売却した『Poker Night』は、主人公が一番の売りになっているストーリーだった。ログラインはこうだ。〈妻の尻に敷かれた夫が週末を一人で過ごすことになり、ポーカーで悪いギャンブラーに家ごと巻きあげられる〉。親父版『卒業白書』である。これを読めば主人公はもう見えてくるはずだろう? あとは主人公と悪役のバランスをうまく取り、弱い夫がタフになっていく変化を見せることだけ考えればよかったのである。

(『SAVE THE CATの法則』ブレイク・スナイダー/訳:菊池淳子)

第6話「頼んだわけじゃない」

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レビュー:40点

漫画:福田健太郎

所収:週刊少年ジャンプ/2019年/第30号

『ふたりの太星』批評記事まとめ

第6話のポイント

 

  • 前回のエピソードにて、消失していたはずの「昼の太星」の人格がアッサリと復活を遂げた。
  • これにより「今後はいったいどのように話を広げていくのか」について、ますます混迷極まっているのが個人的な所感である。

 

  • というのも、「昼の太星」と「夜の太星」が並立する現状が、「ほんとうの主人公はどっちなのか」という問題を浮き彫りにするからである。
  • 以前、羽賀の魔の手によって歩道橋からスッテンコロリンした「昼の太星」の人格が消失してしまうイベントがあった。これ自体トンデモ展開もいいところだが、「ああ、この物語は夜の太星がお話の中心だったんだな」という予測がつくので、これはこれで間違いではなかったのである。
  • しかし、前回のエピソードでは、アッサリと「昼の太星」が復活を遂げてしまったわけなので、「え?じゃあこの物語は誰が主役なの?」と困惑してしまうのである。

 

  • 「ふたりの太星」はもちろん人格が二つあるという意味で「ふたり」なわけなのだが、そうはいっても、基本的には「ひとつの物語にはひとりの主人公」が鉄則である。
  • 「ひとつの物語にはひとりの主人公」とはつまり、「この物語は誰のために描かれるのか?」という問いの裏返しでもある。

 

  • この作品は、「夜の太星」との関わりをつうじて苦悩・葛藤・成長をしていく「昼の太星」にフォーカスが当てられているのか?
  • はたまた、「昼の太星」の”陰”であったはずの「夜の太星」が、将棋が大好きな自分と向き合いつつ並み居るライバルを倒していくことにピントが絞られていくのか?

 

  • この点に関して、いまだ疑問が多分に残るのが現状である。
  • つまり、この作品は、話を展開していくための大事な「軸」が定まっていないとも言えるのだ。

 

(第7話へ続く……)



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石山 広尚(いしやま ひろなお) 1991年うまれ。 札幌在住のライター。 一時期は社会学の研究者を志していたが、ひょんなことから友人と同人誌をつくることになり、それがきっかけで「創作」の世界にどっぷりハマる。小説サークルを主宰し、「批評」の重要性を痛感する。 ・大学院時代の専門:思想史と社会学 ・好きな作家:H.G.ウェルズ、オー・ヘンリー、ポール・ギャリコ、スティーブン・キング ・好きな映画:ゴッドファーザー、第三の男、ターミネーター2