【ネタバレ漫画批評】『サムライ8 八丸伝』第13話【やはり読みにくい戦闘描写】

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今日の名フレーズ

自分たちのストーリーと少しでも似たところのある映画を一本残らず見て、他の脚本家たちがどんなふうに書いてあるかを確かめる。彼らがうまくやっているところからも、失敗しているところからも学び、我々が書いている脚本のジャンルを大きく進化させるには、どうするべきかを探るのだ。率直に言って、それ以外のやり方はバカだと思う。

(『10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術』ブレイク・スナイダー/訳:廣木明子)

第13話「勇を見た」

サムライ8八丸伝 最新話 ネタバレ 感想 批評 レビュー 評価 面白い 面白くない 表紙

レビュー:50

原作:岸本斉史

作画:大久保彰

所収:週刊少年ジャンプ/2019/36・37号(合併号)

『サムライ8 八丸伝』まとめ(第1話~)

なんかいいよね

第13話のポイント

 

  • 前回は華々しくセンターカラーを飾ったにもかかわらず、今回はかなりページの後ろに追いやられているのはなんだか皮肉である。
  • しかも、『最後の西遊記』が『サムライ8八丸伝』をページの順番で抜いたというのも興味深い。
  • 『最後の西遊記』、いい粘りを見せている。頑張ってもらいたいものだが……

 

  • 『サムライ8八丸伝』は、戦闘描写が「わかりにくい」&「見ずらい」というのが難点のひとつだ。
  • 私見では、この作品の世界観やSF設定は、「マンガ」という媒体ではなかなか表現が難しいのかもしれない。
  • というのも、この作品が表現しようとしているアイテムや武器にまつわるさまざまな「挙動」が、非常に「映像(動画)」的なものだからだ。

 

  • むろん、原因はおそらくそれだけではないはずだ。この作品は、ただでさえ「映像(動画)」的な演出が多いにもかかわらず、「静止画」的なコマの使い方をしてしまっている。そのために、「画」と「画」のあいだを一連の流れ(シーケンス)として捉えることが難しくなり、どのような現象が描かれているのかを認識しにくい。
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みなさんはこのワンカットをみて、何が起こっているかを初見で理解できるだろうか?わたしにはできなかった。そしていまでも微妙である。おそらく、「早太郎」(キーホルダー)が八丸の「装備」として身体に瞬着したのだろう。だが、これは何度か読み直して理解できたことだ。アクションを描いているのに、非常に「テンポ」が悪い。

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これも初見では意味がわからなかった。いったいなにが起こっているのか?アタがこのあとのシーンで説明してくれたが……

サムライ8八丸伝 最新話 ネタバレ 感想 批評 レビュー 評価 面白い 面白くない ダルマ師匠

このカットも、初見ではなにが起こっているか理解できなかった。おそらくこのときのダルマ師匠は、カタナを鞘に納めたのだろう。だが、その一連の「動作」をここから読み取るのは難しい。

 

  • さて、今回のエピソードでは、八丸とダルマ師匠が、いよいよ強敵のアタを倒すことになる。
  • そして最後の最後に、この作品を理解する”カギ”がいくつか開示される。
  • どうやら八丸の父は、かつてアタたちと共に「合鍵計画」に関与していた技術者だったらしい。

 

  • 「合鍵計画」とは?
  • 「例の箱」……この銀河の平和を守るために必要な「箱」を開けるべく、人工的に「鍵」をつくりだす計画のことだ。
  • 人工的に「鍵」をつくりだすことで、いったいどのようなメリットがあるのだろうか? そこんところはまだわからない。

 

  • すでに読者が知っている事前情報に、「八丸=箱を開ける鍵のひとつ」という設定があった。
  • じつは八丸には、顔や姿がそっくりの「八角」と呼ばれる”7兄弟”がいるらしい。彼らもまた、それぞれが「箱」を開けるための「鍵」である。
  • そして八丸は、8人目の兄弟として数えられている。アタたちにとって八丸は、「本来存在するはずではなかった」余りモノとのこと。

 

  • ようやく、本編に関係のありそうな、「イメージのふくらみ」のある重要情報が出てきたようだ。
  • 正直、この「合鍵計画」に関する設定情報は、初期のエピソードの段階でさっさと開示するべきだったのではないだろうか。

 

(第14話に続く……)



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石山 広尚(いしやま ひろなお) 1991年うまれ。 札幌在住のライター。 一時期は社会学の研究者を志していたが、ひょんなことから友人と同人誌をつくることになり、それがきっかけで「創作」の世界にどっぷりハマる。小説サークルを主宰し、「批評」の重要性を痛感する。 ・大学院時代の専門:思想史と社会学 ・好きな作家:H.G.ウェルズ、オー・ヘンリー、ポール・ギャリコ、スティーブン・キング ・好きな映画:ゴッドファーザー、第三の男、ターミネーター2