【ネタバレ漫画批評】『トーキョー忍スクワッド』第8話【笑ってこらえて?】

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今日の名フレーズ

部屋で最新式のコンピューターに向かってポコポコやってるところからクリエイターは出てくるんじゃなくて、もっと古いものの集積の中から出てくるんだと思うんです。

(宮崎駿)

第8話「牽制と挑発」

トーキョー忍スクワット 最新話 ネタバレ 感想 第8話 評価 批評 レビュー 面白い 面白くない カキ氷

レビュー:40

原作:田中 勇輝

漫画:松浦 健人

所収:週刊少年ジャンプ/2019/34

『トーキョー忍スクワッド』ネタバレ漫画批評まとめ

第8話のポイント

 

  • マキ・ミズノがトレーニングしているジムに、南雲氷彗(なぐもひょうすい)の手下が襲撃。
  • それを鳴海仁とパピヨンが迎撃する。
  • トレーニングジムでの戦闘……正直、あんまり「画(え)」にならない

 

  • もっと他の良いロケーションもあったろうに……。
  • それはともかく、パピヨンの忍法「糸縫術(しほうじゅつ)」のお披露目もかねて、難なく南雲の手下を撃退する鳴海仁たち。
  • ところがそこに、南雲氷水本人がジムに乗り込んでくる。逃亡を図った手下のひとりが、運悪くそのタイミングで鉢合わせたものだから、南雲の制裁をくらってしまう。
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南雲の”忍術”は「氷」に由来しているということで、あえなく逃亡を図った部下は一瞬で凍結。そのあげくに、なんと「カキ氷」にされて処刑の憂き目にあう。

このシーンは、南雲の”容赦なさ”とか”残酷さ”を表現するための演出なのだろう。

「悪党はとことん悪党に描く」のが物語の鉄則であるからして、やはりこういった演出は大切だ。

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ところが、である。

氷漬けにした部下は、いったいどこから持ってきたのやら、わざわざ巨大なカキ氷機にかけられてしまう。

いや、ほんとにどこから持ってきたんだ?

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  • この突拍子のない「カキ氷機」シーン、さすがに突っ込まざるをえない。
  • そして、作者側の意図も、はかりかねてしまう。
  • 仮に、もしこの「カキ氷機」のシーンを「ギャグ」としてみていいのなら、それはそれで受け入れられる。
  • ところが、南雲が部下を残酷にもカキ氷にして、しかもそれを食べるのを目の当たりにした鳴海仁は、「自分の仲間に何をしているんだ」とブチ切れるのだ。
  • ここに問題が潜んでいる。
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  • この鳴海仁ブチ切れシーンは、「仲間」を大切に思う鳴海仁が、たとえ敵であっても仲間を大切にしない南雲にモノ申す意図があるわけだ。少年漫画ではすっかりおなじみのシーンである。
  • つまり、この一連の場面は

①南雲がジム入場

②敵前逃亡の部下を凍結して制裁

③カキ氷機にかけて処刑

④鳴海仁がブチ切れ

というシーケンスとして整理できる。

  • だがこの展開、はたしてギャグなのか真剣なのかわからない
  • ①~③までが「ギャグ」で最後の④が「真剣」だとするなら、それぞれのシーケンスで抱く観客の「感情」の種類が異なりすぎるため、全体としてかなり不自然である。

 

もっとも、①~④までのシーケンスを「ギャグではない!カキ氷機の流れも含めてぜんぶ真面目な展開なんだ!」とするなら、納得はできないものの、理屈としては理解できる。

  • だが、はたしてあの「カキ氷機」のシーンを「ギャグではない」なんて誰が胸を張って主張できるだろうか?
  • ターゲットのいるジムへ赴く際に、南雲が「いつも通り、カキ氷機は忘れず持ってこいよ」なんて部下に命令しているところを想像するだけで、笑えてくるではないか。
  • あれは立派なギャグだ。とすれば、やはりシーケンス①~④の流れは、文脈を無視した「感情」の不自然な流れが起こっていると指摘せざるをえないのである。

 

  • 今回は、さらにツッコミポイントがある。
  • 南雲は鳴海仁に、「ここで殺り合うのはお互いリスクしかない」ということで、あっさりその場を退くことになる。
  • しかもその理由のなかには、「芸能関連の仕事をしている以上、うちも目立てない」とのこと。

 

  • ……いや、思いっきり目立ってない?
  • 前回は、何人ものサイバーパンクな恰好をさせた手下を送り込んで、ロケットランチャーをぶっ放してマキ・ミズノを殺そうとしていた。
  • そして今回は、巨大な「カキ氷機」を持ち込んで残酷な処刑ショウを衆目に晒しているではないか。

 

  • さすがに言っていることがめちゃくちゃである。
  • それもこれも、「トレーニングジム」という謎のシチュエーションで戦わせるからいけないのである(そうかな?)

 

(第9話に続く……



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石山 広尚(いしやま ひろなお) 1991年うまれ。 札幌在住のライター。 一時期は社会学の研究者を志していたが、ひょんなことから友人と同人誌をつくることになり、それがきっかけで「創作」の世界にどっぷりハマる。小説サークルを主宰し、「批評」の重要性を痛感する。 ・大学院時代の専門:思想史と社会学 ・好きな作家:H.G.ウェルズ、オー・ヘンリー、ポール・ギャリコ、スティーブン・キング ・好きな映画:ゴッドファーザー、第三の男、ターミネーター2