【ネタバレ漫画批評】『チェンソーマン』第31話【「こんな状況に陥ったとき、〇〇ならどうする?」が面白さの秘訣】

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今日の名フレーズ

〈バカ〉は、神話でも伝説でも、重要な人物だ。表面的には単なるバカなまぬけ者に見えるが、実は最も賢い存在なのである。一見負け犬に見えるのでみんなに見下されているが、逆にそのおかげで〈バカ〉は最終的に光り輝く勝利を手に入れるチャンスに恵まれる。

(『SAVE THE CATの法則』ブレイク・スナイダー/訳:菊池淳子)

第31話「未来最高」

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レビュー:70点

作:藤本タツキ

所収:週刊少年ジャンプ /2019/第34号

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第31話のポイント

 

  • 凄腕のデビルハンター「アル中のオッサン」。
  • デンジとパワーは、このオッサンをいつか倒さなければ前に進めない状況にある。
  • しかし技術的には圧倒的に差があるわけなので、いまのところ成すすべもない。

 

  • そこでデンジとパワーは妙案を講じる。
  • それは、「頭を使って」あのオッサンにどうにか一矢報いるという作戦だった。
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  • 頭のわるいやつらが、凄腕のプロを倒すために「頭を使う」――テンプレのような展開だが、ここにはユーモラスな「皮肉」が確かに効いていて、やはり面白い。
  • 物語において「テンプレ」は大切である。ありがちな展開であるということと、内容が陳腐であるということは、意味がまったく異なることに注意しなければならない。

 

  • 「頭のわるいやつらが、強敵を倒すためになんとか頭をひねって戦う」という展開は、確かに昔から使い古されていて、まごうことなきテンプレである。
  • まさに「ありがち」「ありきたり」といった様相を呈している。
  • だが、問題はそこではないのだ。

 

  • 大切なのは、そのテンプレの展開(構造)のなかで実際に動きまわるキャラクターなのである。
  • 「〇〇(キャラクター)がそのテンプレ状況に陥ったとき、どのように打開していくのか?」
  • この疑問や関心があるから、続きを読みたくなるのだし、実際に困難な状況を克服していくさまをみるのが面白いと感じるわけなのである。

 

  • デンジとパワーが「頭のわるいやつらが、強敵を倒すためになんとか頭をひねって戦う」という展開で動き回る。そこにこそ、作品の唯一無二の「面白さ」がある。
  • あたりまえではあるが、展開とキャラクターは、本来、それぞれが別の次元にあるのだ。

 

  • 「面白い展開」とは、誰しもが経験しうる共感性の強い普遍的な状況と解釈すればわかりやすい。
  • だからこそ、「こんな状況に陥ったとき、あなたならどうする?」と問いたくなるような展開は、たとえどれだけ使い古されても、色あせない面白さをもつ。
  • 「テンプレ」が多くの創作者に愛好されるゆえんはそこにある。

 

  • 「こんな状況(困難)に陥ったとき、あなたならどうする?」
  • 繰り返し言うが、この問いが「面白い展開」をうみだすために欠かせない”はじめの一歩”なのである。
  • そしてその問いに対し、「こんな状況(困難)に陥ったとき、〇〇(キャラクター)ならこうする」とひとつの答えを導き出すのが物語の役目である。

 

  • つまり、『チェンソーマン』の本編でいえばこうだ。
  • 「手も足もでないデビルハンターを倒さなければならなくなったとき、デンジとパワーならどうする?」

 

  • もちろん、現実に「デビルハンター」なんて職業は存在しない。
  • だが、「手も足もでないほど強い相手を倒さなければならない」という苦難は、万人の共感できるシチュエーションだ。

 

  • いったい、デンジとパワーは、どうやってあのオッサンに一矢報いるというのだろうか?
  • こう問われると、やはり続きが気にならずにはいられないのである。
  • そして、そのように関心がそそられるのは、続きが気になるようなテンプレ展開に、デンジとパワーが配置されているからなのである。

 

  • ところかわって早川アキもまた、同様に続きが気になるところだ。
  • 彼が契約させられるであろう「悪魔」は、どうやら「未来」を司る能力の持ち主らしい。
  • 『ドロヘドロ』に出てきそうな見た目とクレイジーさあわせもっている。
  • 頭に生えている鹿の角(あるいは木の枝?)がチャームポイントだ。
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こうやってみると、ほんとうに『ドロヘドロ』に出てきそうに思える。そして、そんな悪魔に対する早川アキのなんともいえない表情がなんともいえずシュールである。

 

  • ・気になる続きは以下次号。
  • それが……ドロヘドロ!(作品違う)

 

(第32話に続く……)



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石山 広尚(いしやま ひろなお) 1991年うまれ。 札幌在住のライター。 一時期は社会学の研究者を志していたが、ひょんなことから友人と同人誌をつくることになり、それがきっかけで「創作」の世界にどっぷりハマる。小説サークルを主宰し、「批評」の重要性を痛感する。 ・大学院時代の専門:思想史と社会学 ・好きな作家:H.G.ウェルズ、オー・ヘンリー、ポール・ギャリコ、スティーブン・キング ・好きな映画:ゴッドファーザー、第三の男、ターミネーター2